現在のラ・コルメナ

「農協」と「文協」の2本の柱に支えられ、ラ・コルメナは敗戦後の苦境から徐々に立ち直り、そして現在に至る。

ここでは2018年5月現在のラ・コルメナの様子を概観することにしたい。

 

 

・現在のラ・コルメナ概観

・パラグアイと日本 文化統合の地ラ・コルメナ


現在のラ・コルメナ概観

 1965年に電話が開通、1980年代前半には舗装道路・簡易水道が配され、地域全体の電化が完了した。90年代にはさらに幹線道路も舗装され、灌漑用水・水道設備も完成する。

 

 1978(9)年にラ・コルメナ郡は市に昇格し、全体の統治機構として市役所が設置された。初代市長には日系2世の田中朝穂(トモホ)アナスタシオ氏が就任した。

 

 2018年5月現在のラ・コルメナ市全体の人口は、市街地・農村地帯合わせて約7,000人、うち日系人口が300~350人程度と言われている。



パラグアイと日本 文化統合の地ラ・コルメナ

 ラ・コルメナにおける現在の日系社会の統治機構は「ラ・コルメナパラグアイ日本文化協会」である。

 パラグアイと日本、両国の名を冠するこの組織は、2つの文化が融合しているコルメナの現在を、端的に示すものである。

 

 例えば日系2世、3世は配偶者にパラグアイ人を迎えていることが少なくない。日系人同士でもよく、先住民族の言語であり、公用語の1つでもあるグアラニー語(※)が用いられる。

 

 現在毎週土曜日行われている朝市には日系人・パラグアイ人両方が協力して出店し、また12月には両文化の統合を祝う記念祭として「EXPO Frutas La Colmena」が開催されている。




 

 

備考:

(※)グアラニー語

 パラグアイの主要な先住民族「グアラニー」族によって使用されていた言語。話し言葉が中心である。

 2018年5月現在において、パラグアイの公用語はスペイン語とグアラニー語の2つである。特に農村部において、日常生活ではスペイン語よりグアラニー語が多く使用されている。その為、グアラニー語による会話はより近い心理的距離での意思疎通を可能にする。

 実際、過去に日系人でパラグアイ国の要人となった者の多くがグアラニー語に堪能であった。